千葉・市川市の東山魁夷(かいい)記念館で秋の風景画を鑑賞し、鮮やかな美しさに心を奪われた。
死去するまで50年以上にわたり市川で暮らし、絵筆を執った画伯。今でこそ日本画家として名高いが、画壇(がだん)に認められるまでは苦難続きだった。終戦前後、肉親を失い、「どん底にいた」(『泉に聴く』講談社)と振り返るほどの悲哀を経験。だが、”絶望の底から何とか活路を見出してよじ登ろう”と奮い立ち、「残照」や「道」といった名作を生み出していった。
どん底の苦境からどう立ち上がるか。荒れた青春を越え、障がい者福祉に尽くす市川総県副青年部長の成岡さん。「家庭不和など一家バラバラで自暴自棄になっていた時に発心。苦労したおかげで、人の痛みが分かるように」--この自身の体験を語り、これまでに16世帯の弘教を実らせている。
「苦に徹すれば珠と成る」(吉川英治)。苦難を宝とし、勝ちゆく中にこそ、人生は輝きを増し、多くの人に感動を与えゆける。
(2011年9月16日 聖教新聞掲載)


